友人や会社でカラオケに行っても中々歌い出せない人、自分も下手なので奨められても嫌がる始末です。それでも連行されたりしますけど。
カラオケは楽しい。好きだ! ただ、楽しむためには暗黙のルールも必要で。「おまえ、さっき歌ったばっかなのに、何でもう歌ってんだよ?」みたいな。カラオケルーム内には、独特の規律がある。
でも、たまにはそんなのも取っ払ってみたい時もあって。「俺は歌い終わったけど、次は誰の番? ……俺」、夢のようだ。
そこで、今度はここに行ってみたい。11月25日にオープンした「ワンカラ神田駅前店」は、日本初の“一人カラオケ専門店”。
この情報を入手したその時はもうお店に向かっていた。もちろん、一人で。
到着すると、そこはもう完全に別世界。宇宙船みたいなのだ。
「カラオケボックスが誕生してから今に至るまで、料金体系などの変化はあったものの、業界的に変わった点はこれまであまり無かったと思います。そこで『ハードから変えていこう』と、内装を新しいイメージにいたしました」(担当者)
“何かを変える”→“未来に進む”→“宇宙船”というわけで、このようなデザインになったという。
他にも、斬新なポイントは多い。例えば、カフェスペース。
「60分カラオケを楽しんだとしても、3人でのご来店だと一人20分になります。それが一人で60分となると、結構疲れますよね」(担当者)
だからこそ、カラオケ中の小休止として有効なカフェを店舗内に設けた。ソファには、腰を揉み解してくれるマッサージクッションも置かれており、至れり尽くせり。贅沢なスペースじゃないですか!
また、男子禁制の「女性専用エリア」も面白い。一人カラオケしている姿を異性に見られたくない女子も、このゾーンに入れば気兼ね無し! しかも、エリア内にはパウダールームも設けられており、本番前に気合を入れ直したい方は、是非!!
そんなこんなで、私も人生初の“一人カラオケ”に勤しんでみたいと思います。ちなみに、同店ではカラオケルームのことを「ピット」と呼ぶそう。カウンターがある「コクピット」から赴く、そんなイメージだとお考えいただきたい。
ピット内に入ると、明らかに通常のカラオケルームとは異なる。まず、広さは約1畳分。そして、スピーカーが無いようだ。代わりの役割を果たすのは、ヘッドフォン。狭いスペースにスピーカーがあると、ハウリングや金属音がスゴいことになってしまうから。
以上のディテールを踏まえ、そろそろいきますよ! まず初めの1曲目は、何にしよう? どうせなら、人の目を気にして普段は歌えないナンバーに挑戦してみたい。ザ・スミスの『心に茨を持つ少年』をお願いします!! こんな曲をカラオケで歌うのは、初めてかもしれないな……。そして、これがキモチいいのだ。普段とは、また違った高揚感。じゃあ、次は誰行く? 当然、私です。もうここまで来ると、古田敦也の「代打、俺」の心境。
ちなみに、一人カラオケには他のメリットもある。自身の歌唱に満足いかなかったら、続けざまに同じ曲を入れて何回も歌ってみたり。「この曲、違ったかな?」と違和感を覚えたら、すぐに演奏停止してしまったり。もう、自由自在! 終いには、殆ど歌詞を覚えていない曲にもドンドン挑戦する私。下手打ってグダグダな展開になっても、申し訳ない気分にならない。だって、自分だけのスペースだから。
そんな“一人カラオケ”を楽しむお客さんたちは非常に多く、私が歌いまくってた正午辺りだと、店内はほぼ満員状態になっていた模様。
「ピットに入る前と後では、お客様の表情が違います。皆さんが満足されているようで、中には『こんなに楽しいとは思わなかった』と感想を言ってくださるお客様もいらっしゃいます」(担当者)
そんなお客さん達が“一人カラオケ”を楽しむ時間は、平均して約1.5時間だという。十分だ。その位あれば、間違いなく10曲は歌えるだろうから。
最後に、このような店舗をスタートしたきっかけについても伺ってみた。
「通常店舗において一人で来店されるお客様は、今では2割に達しています。ただ、『一人で入るのは勇気がいる』というお客様がいることも事実です」(担当者)
そこで、“一人カラオケ専門店”のオープンにまで踏み切った。
また、こんな事実が面白い。カップルや友達同士で来店しつつ、歌う時は別々にピット入りするグループもいるそうなのだ。人に気兼ねなくアニソンだけで楽しみたい人などが、そんな楽しみ方をしているのかもしれない。
「終わると再び合流し、『楽しかったね』と揃ってご帰宅されるようです」(担当者)
どうでしょう? カラオケの機会はますます増えていく、年の瀬。忘年会に備え、一人で未知の曲を練習するのも良し。余興の準備として、振り付けの練習をするも良し。
とにかく、気兼ね無しに“一人カラオケ”を満喫できる新店舗。日本初の“一人カラオケ専門店”でした!
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