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2011年11月4日金曜日

「調味料選手権2011」に行ってきた

国の記念日だと大抵カレンダーの赤字で休みが分かるから御子さんたちも覚えているものですが、語呂合わせやマイナーな記念日ってそうそう知っているものでもありません。

11月3日は「調味料の日」。

「113(いいみかく)」の語呂合わせや、日本の伝統調味料を見直し、和食の素晴らしさを文化として考えようということなどから、制定されたものらしい。

そんな11月3日に、「調味料選手権2011~新定番調味料を探せ!~」なるイベントが催されると耳にした。
ちなみに、昨年の総合1位は、後にブームとなった「かぼすこ」(大分県)。今後の調味料のトレンドをいち早く知るという意味でも、要チェックかも……ということで、実際にイベントに足を運んでみた。

事前に「デザイン性」「味の斬新、新規性」「日常性」「ご当地度」「ストーリー性」の5項目を基準に審査が行われたそうで、この日の最終審査に残った調味料は、上位11品。
その他、最終審査に漏れたものの、ユニークな全国各地の調味料も豊富に集められており、会場には様々な調味料による濃厚な香りが立ち込めていた。

最終審査は、生産者自身と、推薦者である「調味料マイスター」(日本野菜ソムリエ協会育成)とがタッグを組み、プレゼンを行うスタイル。その後、参加者たちがそれぞれ試食、生産者に話を聞いたりしつつ、投票する。

結果は……。
1位「しょつる 十年熟仙」(秋田/株式会社諸井酒造)
2位「ふくのオイル漬け 中華風味」(福岡/博多い津み)
3位「大葉ソース」(大分/田中醤油店)
4位「柚子ぽん酢ペースト」(大分/原次郎左衛門の味噌醤油蔵)
5位「雲仙アンチョビ えたりでイタリアン」(長崎/伊勢屋旅館)

総合優勝となった「しょつる 十年熟仙」は、魚醤としては非常に貴重な10年物。秋田の県魚・ハタハタと天日塩のみで作っており、通常商品の3年熟成よりも3倍以上の年月をかけて、ゆっくり熟成させた素材のみのピュアな味という。
少量を実際に舐めてみると、最初に感じる強めの塩気から、数秒かけて、ゆっくりと甘み・うまみ・深みがほどけるように広がってくる。
「魚醤といえば、今はナンプラー、ヌクマムなど海外のものがポピュラーになっていますが、日本には昔から『しょっつる』『いしる』『いかなご醤油』の三大魚醤があります。

魚醤文化が衰退しているいま、途絶えた日本の食文化を復活させたいという思いがありました」
と、生産者。

その他、各部門賞も発表されたが、まず驚いたのは、上位11品のいずれも美味しいばかりでなく、全く知らない商品ばかりだったこと。

さらに、魚醤と同じく、「えたり(カタクチイワシの塩辛)」など、衰退しつつある日本の食文化への思いがあり、また、「小さくて廃棄されるしかなかったふぐ」「産業廃棄物として廃棄されてきたワインのしぼりかす(ワインペースト/山梨 グリーンバース)」「折れて商品価値が下がってしまったニシン(にしんのおかげ/北海道 一八工業水産株式会社)」など、「もったいない」という思いから、技術・工夫によって、新たに「調味料」として生まれ変わったものなども多数あった。

いずれも生産者・地域の食文化に対する熱い思いを感じるものばかり。改めて感じたのは、「日本人で良かった」ということ。私たちが知らない、新しくも懐かしい「味」は、まだまだ日本中にたくさんあるかもしれません。