震災から立ち直ろうとする動物園に不覚にも感動した今日この頃。もっともそこに行く気もないんですけどね。いまだに保護されっぱなしの動物はちょっと気にはなりますけど。
上野動物園にパンダを見に来る家族連れでにぎわう今日この頃、あるところで動物園ライターの森遊民さんに出会った。「動物ライター」というのは知っているけど、「動物園ライター」って、どう違うの? と思ったので森さんに突っ込んで聞いてみました。
森さんが、動物園ライターを名乗りだしたのは、たまたま漫画の原作を書くために動物園に取材に行ったのがきっかけだったとか。ところが一度、動物園に行きだしたら面白くて止められなくなり、そのまま動物園ライターになったのだそうです。
ちなみに動物園ライターと、動物ライターの違いについて聞いてみると、「一般に動物ライターは、動物の生態について専門的に学んだり、大学で動物学を学んでいる人が大多数。どこかで専門的な知識を学んだわけでもなく、ただ動物園が好きで通いまくることで、動物園に関する記事を書くようになり、動物園ライターと名乗るようになった」のだと森さん。
時間さえあれば毎週どこかの動物園に行っているし、はまっているときは集中的に毎日行っているというのだから、さすが動物園ライターです。
そんなに動物園って面白いですか? と聞いてみたところ、「子供のころの記憶にある動物園と違って、もっと動物園が面白くなっていた。大人が楽しみながら、動物について学べるような仕組みがあったりして、動物を実感できる。一人で行っても絶対ハマるほど、現代の動物園は深い」んだそうです。
ちなみに、日本には動物園法がないので、動物園は日本動物園水族館協会に所属しているところが多く、その数は動物園だけでも全国で約90カ所。森さんは、動物園を4つの種類に分類しています。
1. 都市のど真ん中にあるタイプ
2. 郊外にある広いタイプ
3. サファリパークのように放し飼いをしているタイプ
4. 小さいけど小さいなりにこだわっているタイプ
中でも4. の比較的小さい規模の動物園が飼育係の担当者の工夫がみられるので面白いのだそうです。
ちなみに動物園ライターの仕事は、動物園イベントや動物番組に呼ばれたり、動物園を紹介する原稿を書いたり、動物ライターと同じように動物を観察する仕事も。中でも森さんにとって印象的だったのは昨年、あの有名ネイチャー雑誌・ナショナルジオグラフィックで、四国の愛媛県立とべ動物園について書いた記事。この愛媛県立とべ動物園は、日本ではじめてのアフリカ象の人工飼育を成功した動物園で、ふつうアフリカ象は、人の手で育てるとずっと人に頼るようになってしまうのですが、そこで育児放棄した母象と、群れを作るために作った弟象と一緒に家族の群れに戻すことに成功したのだそうです。この感動的なお話はこの秋、児童書としても発売されることになったのだとか。
動物園にまつわる感動的な話題を知ると、その動物園を訪れるにしても一味違いますね。
この秋は、動物園にカシハラも行ってみようかな……?!