無駄話題も面白ければ取り上げるので役に立つかは人次第、ときには時間の無駄と思われても知人に教えて輪を広げる。それこそコネタの流儀!

2011年9月5日月曜日

冷麺なのか、スイーツなのか。「スイーツ冷麺」はどっちだ?

過去のおやつ感覚の料理漫画に出てきそうなものを思い出すと、意外といけるものもあれば身の毛がよだつものものあった。しかし視覚効果の段階で拒否反応が出そうな料理が普通に出てくる今日この頃。

「おやつは別腹なの!」というお馴染みのセリフがあるが、まさに。丼もの2人前を食べた直後に、羊羹の一気食いをする人を知っている。私のことだけど。確かに、別腹だった。

ただ、このメニューはどちらのスイッチを入れてよいのか迷う。「焼肉レストラン 錦城苑」(東京都葛飾区)が8月12日より追加した新メニューの名前は、『スイーツ冷麺』(500円)である。
冷麺なのか、スイーツなのか? それによって、食べる側の立ち位置も変わってくるではないか。正体を暴きたい。

そこで、同店に行ってきました。論より証拠。これは実際に食べてみないと、何も始まらないだろう。

お店に到着すると、そこに現れたのはどこかで見覚えのある気がする店員さん。今回は、この方に色々聞いてみることにしました。
まず伺ったのは、「スイーツ冷麺とは何なのか?」。

これが驚いた。大胆すぎるのだ。どんな風に構成されているかを、そのまま皆さんにご説明したい。
まず、麺にはくずきりを使用している。ゆで卵のごとく中央に居座るのはアイスクリーム。キムチのような赤の彩りが映えるのは、リンゴとイチゴジャムをあしらったもの。ポツポツと見える小さい緑色の食材は、キュウリ代わりのキュウイ。スイカは、当然「スイカバー」を代用して、スープにはサイダーを用いた。
一応、冷麺のイメージを崩さないように再現はしているが、その実態はズブズブにスイーツじゃないか!

このようなメニューを開発したきっかけについて、先ほどの店員さんに伺ってみた。
「今年の7月より、チューハイにガリガリ君を丸ごと1本入れた『ガリガリ君サワー』というメニューを展開しております。こちらは大人向けメニューになりますので、『今度は、スイーツを使った子供向けメニューを……』と、この冷麺(?)を開発いたしました」
お答えいただいたのは、“リアルガリガリ君”という異名を持つスタッフの山岸さん。見覚えがあるとは思っていたけど、髪型とか顔の形が本当にガリガリ君だ……。

そんな情報を踏まえ、実際に『スイーツ冷麺』を食べてみます!
ふぅ~。正直、おっかなびっくりになってしまうのだが……。ん? 大丈夫だ。スゴいのを想像してたけど、そこまでトゥーマッチじゃない。意外とまともなスイーツだとわかって、違う意味でびっくり。
「結構、皆さん完食されますよ。返ってくるお皿を見ると、『お、食べてるな!』という感じです(笑)」(“リアルガリガリ君”こと山岸さん)

感想としては、麺代わりのくずきりがいいクッションになっている。何しろ、他の食材が個性派ぞろいなのだから。それを調和する大事な役割を担っている、縁の下の力持ちがくずきり。
「最初はところてんも候補に挙がったのですが、『なんか違うな』と思いました。くずきりだと若干の”モッチリ感”があるので、麺をイメージしやすいですしね」(“リアルガリガリ君”こと山岸さん)
なるほど。ところてんって、粘りもなく「切れやすいゼリー」というイメージもある。適任は、断然くずきりの方だろう。

そんなこんなで、数分経過。実は『スイーツ冷麺』が美味しさの本領を発揮するのは、ここからなのだ。食材が溶け出し、混じり合うと、ますます”スイーツ”の方に針が振れていく。
「飲むと、もっと美味しさがわかりますよ! よく考えたらサイダーフロートという食べ物もありますし、実は全然普通ですよね」(“リアルガリガリ君”こと山岸さん)
確かに。混じり合ってもケンカした味にはなっていないし、無くはない。新種のサイダーみたいで、全然イケる。ただ、サイダーを飲むのにお椀を使っているのは新感覚です。

どうでしょう。もう、おわかりいただけたのではないでしょうか? 同店の『スイーツ冷麺』を、冷麺と思ってはいけなかった。スイッチを“スイーツ”に切り替えて、いただくべき!

純粋に楽しむも良し。怖いもの見たさでも良し。普通の冷麺との食べ比べでも良し。過ぎ行く夏の思い出として、一度このスイーツを体験してみますか!?