美しさを持つであろう女性に憧れその方面に突っ走る男性も少ながらずいる。もっともそんな人を毛嫌いする人もいるけど似合えば良いと思うけど・・・。
以前、コネタで“女装したい人のための通販サイト”を紹介したことがある。「女装したいんだけど、どこで何を買ったらいいのかわからない」という男性のために書いた記事だった。
そして、今度は「女装したいけど、どんなメイクをしたらいいかわからない……」という男性に向けて発信したい。秋葉原にある「男の娘カフェ&バー NEWTYPE(ニュータイプ)」は、9月2日より女装に特化したメイク講座「NTメイクレクチャークラブ」を開講しているそうだ。
今回は、女装向けメイクを基礎から教えてくれる“初級編”。化粧品の買い物の仕方から、美肌作り、美眉作り、ふっくらほっぺた、目ヂカラ・アップ、うるるんリップ、撮影におけるキレイな写り方まで、全5回に分けて詳しく指導してくれる。
女性向けメイク本だけでなく、化粧を教える女子高まであるという、この昨今。そういえば、“女装メイク”だけは情報源すらなかった。……時代は求めていなかったのだろうか?
「以前、『オンナノコになりたい!』という女装の指南本が販売されたんですね。そこでは“女装メイク”をイラストで説明しており、約5万部を売り上げているんです。ということは確実にニーズがあると判断し、メイク講座をスタートしました」(「NEWTYPE」スタッフ・茶漬けさん)
今までにも“女装サロン”という存在自体はあった。しかしそれらには、独特の敷居の高さがあったのも事実。インモラルというか、何と言うか……。
しかし、今回の講座はライト感覚。「もっと気軽なノリで学んでいただきたい」といった目標を掲げ、間口を広げるひとつのきっかけでもありたいと願っているのだ。
そんな意義深い講座の第1回を、実際に見学させていただきました!
開講時間になると、都内某所の教室に続々とやってくる受講生たち。これが、非常に幅広い。「女装が趣味なんだろうな」と一目でわかる人もいれば、会社帰りであろうネクタイ姿のサラリーマン男性まで様々。
年齢層でいえば20~40代といったところだろうか。
そして、まずは自己紹介。各々が講座に参加したきっかけを告白してくれました。
なるほど。やはり、ビギナーの参加が目につく。「何も知らないで、気軽な気持ちで参加しました」、「今まで無趣味だったので、何かやりたいことを見つけたくて……」といった、まさに女装初心者たちの“はじめの一歩”の意思表明である。
一方、「名古屋から6時間かけてやってきました。中級編や上級編も参加するつもりでいます」なんて強い意気込みを感じさせる女装子の姿も発見! 改めて、ニーズの高さを実感した次第で……。
それらを踏まえて始まる今回の講義のテーマは、「美肌作り」。プロのカメラマンとメイクアップアーティストの2人が講師となり、簡潔にわかりやすくメイク方法を解説してくれている。
「ファンデーションとは、要するにお肌をキレイに見せるための絵の具です」(講師の立花奈央子さん)
こんな風に噛み砕いて説明してくれると、わかりやすい。
その後は、講師が一人の受講生の顔に実際にメイクを施し始める。その様子を、他の受講生が囲んで凝視。こうして、プロのメイク方法を目で覚えていくのだ。
そして、実践編。受講生一人一人が鏡に向かい、自身の顔にファンデーションやコンシーラーなどを塗り始めた。はぁ~、滑らかというか女性的な肌になっていくもんだな。つい数分前までは、普通に男性だったのに!
そんな内容で進められた、充実の120分。講義で強調されていたのは、“女性と男性の化粧法の違い”であった。
「女性の化粧法は“足し算”なんですが、女装メイクは“引き算”です。メイク初心者は色を濃くしがちですが、それだといかにもオカマっぽくなってしまいます。この講座では、男性向けのナチュラルメイクを教えてあげたいですね」(立花さん)
当然、講義では必須項目であろう“ひげの隠し方”についてもアドバイスしてくれる。これができていないと、台無しになってしまうだろうから。欠かせない。
そして、“女装メイク講座”は早くも第2回の開講が企画されているという。期間は、なんと来月! 10月7日から全5回で行われ、その時は初級コースと中級コースの2本柱で進められていく。
「ゆくゆくは200人、2000人を集められるようになりたいです!」(茶漬けさん)
市民権を得ているようで、まだ足を踏み入れ辛いであろう女装の世界。でも、現実は極めて開放的な趣味ではないだろうか? 講義を見学した私の、偽らざる心境です。