食べやすかったり中々現代人が離れられないパン食、自分は毎朝米を食べないと一日のエネルギーが確保されされない人間なのでそういうのとは無縁ですが。
一時、「若い人がご飯を食べなくなった」と、話題になったことがある。
若い人がお米から離れて、パンなどに走りがちだ。と、データが出たのだそう。
しかしそれを聞いて、ちょっと待った、と声が上がった。
コンビニなどで働く人間に言わせてみると「むしろおばあさんやおじいさんなど、年輩の人のほうがパンを買う率が高い」と言うのだ。
お年寄りといえば和食を中心としたお米食、そして和菓子が好きなのだろうと勝手に思いこんでいた。
しかしベーカリーメーカーに問い合わせて見るとお年寄りのパン購入率、確かに昔に比べると上がってきているとか。それも食パンなど食事になるものだけでなく、菓子パンやツナマヨなどの総菜パンの人気も上々。市販のパンよりも柔らかく仕上げた、介護用食パンも人気を集めているそうだ。
理由をある老人ホームに伺ってみたところ、
「年をとると味覚を感じにくくなる人が増えてきます。そこで甘みが強い菓子パンを好む人が増えてくるようです。柔らかく食べやすいところも、好まれる要因かもしれませんね」
とのこと。そして、一人暮らしや夫婦だけでの住まいの場合、火を使うことを避ける傾向にある。火も電気も使わず、それだけで食べられるパンはまさにお年寄りに最適。
しかし、問題もある。「年配となると食も細くなりがち。甘いパン、総菜パンで満足し、それだけで食事を終える人も多いようです。しかしそれでは栄養が偏ります」と、警鐘を鳴らす。
先ほどのコンビニに話が戻るが、若者がパンを買うのは、おやつ目的が大半。若者はパン程度では満腹にはならない。それに対してお年寄りのパンは、それだけで食事になってしまう。
そこで、同じ甘いパンを食べる場合でも「牛乳と砂糖でフレンチトースト風にする、もしくはサンドイッチでもいいですね」と、ちょっと一手間かけることが重要。トマトなどの野菜、チーズをパンに挟み、余裕があればホットサンドにすると身体も冷えずいいのだとか。
それと、
「年輩の方は冷凍神話を持っている人が多いです。冷凍庫に入れておけばいつまでも保存できると考えている方も割といらっしゃるので、冷凍したまま忘れないことが重要です」
冷凍後はせめて二週間内を目安に食べきってしまいたい。
敬老の日は過ぎてしまったが、もし祖父母に会う機会がある方。お年寄りにぴったりのおいしいパンメニューを作り、ご馳走してあげては。