無駄話題も面白ければ取り上げるので役に立つかは人次第、ときには時間の無駄と思われても知人に教えて輪を広げる。それこそコネタの流儀!

2011年5月24日火曜日

新潟の地酒入り“20歳未満禁止”ラーメン

基本に捕らわれない料理が意外なものとのコラボレーションによって未知の味を引き出すものです。しかし美味しさと引き換えにこんな弊害が発生する場合もあるのです。
 
大人になってから、味覚が変わってきている。たとえば、私は小さい頃に牡蠣が食べられなかった。しかし、ある時から明らかにスイッチが変わったのを痛感している。あの頃の自分は、一体何だったのだろう。あんなに美味しい物(牡蠣)はないってのに。
実は、こういう人は結構いるのではないか。牡蠣以外でも、レバーだったり何だったり……。ある意味、大人向けメニューか?

そして今、完全に大人向けのラーメンが話題となっている。絶対に、子供は食べてはいけない。東京都新宿区のラーメン店「新潟進化系ラーメン 俺たち越後や!」では、純米吟醸酒15ccと酒かす15グラムが含まれた『純米酒味噌ラーメン』(880円)が人気らしいのだ。

なぜ、子供は食べちゃダメなのか。それは、未成年者飲酒禁止法に引っ掛かるから。しかし、私は未成年ではない。だから、お店に行ってどんな味なのか体験してきました。

その前に、どうしてこのようなラーメンを開発したのか? その辺りについて、質問をしてみた。
「店主がメニュー開発のために、新潟に視察に行ったんです。現地のラーメンは確かに美味しかったんですが、新潟の良い物を使っていないことに気が付きました」(担当者)
“新潟の良い物”とは「米」と「お酒」。それらを用いたラーメンが新潟に無いからこそ、新宿にあるこのお店で開発してみせたのだ。

まず、「米」の方。それは、新潟コシヒカリをふんだんに使った『越後醤油ラーメン』(680円)や『越後味噌ラーメン』(780円)として形にした。これも人気。

そしてもう片方の「お酒」を使ったのが、話題の『純米酒味噌ラーメン』。このラーメンの作り方について、ざっくりと教えていただきました。
「新潟の酒造から取り寄せたお酒と酒かすを使用しています。まず、味噌スープに酒かすを伸ばしたものを溶かします。そして煮立ったところに純米酒を一かけし、もう一煮立ちして仕上げています」(担当者)

へぇ~! でも、ラーメンにお酒を入れると、味にどう影響があるのだろう?
「味噌味が、濃厚でまろやかになります。しょうゆ味や塩味での使用も考えたのですが、あっさり味のラーメンに入れるとお酒のキツさが際立ってしまうんです」(担当者)

といった前情報を踏まえて、待望の『純米酒味噌ラーメン』を実際に食べてみました!
目の前に出されたラーメンは、普通に美味しそう。スゴく美味しそう。これをラーメン通の基本として、まずはスープから。……おっ、確かにお酒の味がする! 正直、まるで想像のつかなかったラーメンとお酒のコラボだったけど、想像以上にイケます。

感想としては、お酒の風味が麺や野菜やチャーシューに絡みつくのが絶妙。味噌との相性も良いし、ノンストップに食が進んでいく。お酒を飲みつつ料理を食べてると、いつの間にか箸がグングン進んでいるのと同じような状態というか。
「純米酒は香り付け目的で入れており、煮立った時点で飛んでいます。お酒の味を感じるのは、酒かすによるものです」(担当者)
なるほど。とにもかくにも、完食です。心なしか、体が熱くなっているのはラーメンを食べたからか。それとも、ラーメンにアルコールが含まれていたからだろうか?

ちなみにこのラーメン、アルコール分にしたら1パーセント未満だという。しかし、お酒が弱い人が食べると、ホロ酔い気分になってしまうそう。
「まぁ、基本的にお酒が弱い人は惹かれないですね(笑)。そういうお客様は、お米を使ったラーメンをご注文されます」(担当者)
当然、お昼ではなく夜に注文する人が大半。意外と、女性の注文客も多いらしい。

そんな、この『純米酒味噌ラーメン』は1月25日にオープンした同店の当初からの看板メニュー。
もう、“クセになる”という言葉がピッタリのラーメンと断言しちゃいます。味噌ラーメンの美味しさもありつつ、後味は甘酒にも似ている気がしました。