刺身は好きですが、秋刀魚などの焼き魚は骨が喉に突っかかってしまうので苦手。そんなこと言っている内にカルシウムが足りなくなってしまうこともしばしば。それとは別の話ですが。
1960年代、「骨まで愛して♪」(歌・城卓矢)というちょっとシュールなタイトルの歌謡曲が日本でヒットしたことがある。
そこで突然だが、
「皆さんは魚の骨を愛せますか?」
なぜならば、『フィッシュボーン・マグネット』(nuop DESIGN、国内販売フライハイト)と言うジョークアイテムを見つけたからだ。名前の通り、魚の骨型マグネットで、オフィスのホワイトボードなどの上にメモ紙を固定したりするのに使うのが主たる目的。ほかにもマグネットでくっ付かないところ、たとえば冷蔵庫のドアにも付属のマグネットプレートを両面テープで貼り付けることで、吸着可能となる。
基本的にこのように商品は、
「目立つことはいいことだ」
という前提でつくられているのではなかろうか。そこで、もう少し変わった使い方をしてより一層目立ってみようと決意。思い切って街中へ出た。
地元駅前、目の前に大手デパートがある場所。バスの停留所もあって、かなり人通りが多い。普段から一目はあまり気にしないほうだが、こんなに人が多い中、魚の骨を撮影するというかなり異様なことにチャレンジするということで、正直ちょっと緊張した。とはいえ、ここまで来てやらないわけにはいかないので、勇気をふりしぼってガードレールの真上に吸着させてみた。
結果、灰色の駅前ロータリーを背景に朱色の魚の骨が頭から突き刺さった姿は、一見まったくのナンセンスだった。しかし、これこそが有名なシュールレアリスム作品というのではないか(笑)。
このようにいろいろな場所にくっ付けて、非日常的な情景をつくり、芸術的なセンスを磨くのもよかろう。
なお、筆者は通常時にはデスクの上のほうにメガネ拭きを挟んでおくために使っている。よく見かけるふつうの丸くて平べったいマグネットより吸着面積が少ないうえ長く持ちやすい形なので、デスクの隅にくっ付けるには適している。
魚の骨も使い方次第で、いろいろ役に立つものである。