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2011年5月30日月曜日

今夏はインドで祇園祭に参加しよう

他国にも偶然に発見された催しに小躍りしながら参加しに行きたい気持ちをぐっと抑える。何しろ言語の壁のあまりの厚さに針の穴ほどの隙間すら通らずひたすらジェスチャーのみで楽しむ暇もなさそうだ。

インドには祇園祭っぽい祭りがあるらしい。こんな噂を耳にしたエキサイト編集部。本当にあるのだろうか思いつつも、疑問を解決するため早速取材を敢行。その真相を探ってみた。

たどり着いたのはインドの東海岸にあるオリッサ州。ヒンドゥー教の四大聖地の一つに数えられるプリーという街。ここで年に一度、ラタ・ヤトラという大きな祭りが催される。内容はというと、市内ジャガンナート寺院の本尊であるジャガンナートが、兄のバラバドラと妹のスバドラーとともにそれぞれ巨大な山車に乗せられて、おばのグンディチャーがいる寺院まで出かけるというものだ。

そもそも「ジャガンナート」というのは、この地方で最も崇拝されている土着神のこと。それが後世にヒンドゥー教に組み込まれて、ヴィシュヌ神の化身としてみなされるようになった。元は土着の神だけに、その容姿も変わっている。黒く丸い体に手足はなく、大きくクリッとした愛嬌たっぷりの目。一度見たら忘れられない顔立ちだ。彼らが鎮座するジャガンナート寺院は、本来ヒンドゥー教以外の異教徒は立ち入りが許されていない。そのため観光客が本尊を拝むことは不可能。しかし一年に一度の、この祭りの期間だけは本尊が境内の外に出るため、彼らを拝顔できるのだ。

現地入りした祭りの初日。ものすごい数のインド人が大通りに集まっていた。まさに黒山の人だかり。祭りがはじまると、各々がジャガンナートの名前を唱えながら、三体の山車を一斉に順に引っ張っていく。もちろん場所もインドであるし、太陽はギラギラと照りつける。山車を曵くのもインド人のおじさんたち。雰囲気は当然だが京都! ではなく完全にインド……。だが、想像してみよう。仮に場所が日本で山車を曵くのも日本人だとしたら……。山車の形は少々違うが、まさに日本の祇園祭ではないか!
ちなみに祭りの見所は、おばのグンディチャー寺院まで曵かれる初日とジャガンナート寺院に帰る最終日。それ以外の日は、グンディチャー寺院内に神様三兄妹はいるので山車は動かない。

このラタ・ヤトラ、インドではとても有名な祭りで、日本の祭りのように沿道に屋台も多く出ている。またインドの大手企業もブースを構えており、インド日清食品もカップヌードルを販売していた(インドらしくカレー味でも色々な種類があった!)。

2011年のラタ・ヤトラは7月3日から11日まで開催される。祇園祭の山鉾巡行は7月17日なので、インドで山車を曵いた後、京都でその雄姿を見比べることも日程的には可能。まずは今夏、京都の夏よりもっと暑いインドで、祇園祭的体験をしてみてはいかが!?