日本人は虫を毛嫌いしてると聞いたことはある。確かに昔放映されてたゲテモノ料理なんて大概海の向こう側の人が作ってるものだ。それだけ栄養も豊富で好まれているってやっぱり文化の差と言うものなんですね。
どうやら、私は偏食気味らしい。人と食事をしていると「もうちょっと、野菜を摂った方がいいよ」とか「さっきから、同じ物ばかり食べてる!」とか、イチイチ説教を受けてしまうのだが。
もう、放っといてほしい。私は、私の好きな物を食べて生きていきたいのだ。健康に不安はあるものの。
……いや、大丈夫。これ一杯で、栄養面も抜かりなし。東京都文京区の「山手らーめん 安庵」が販売する『みどりラーメン』(700円)には、なんと栄養満点の“ミドリムシ”が含まれているそうなのだ。
「ミドリムシ」は、「ムシ」と言いつつも昆虫ではなく、藻類の一種。17世紀にオランダで発見されており、2005年には株式会社ユーグレナが食用の屋外大量培養に成功している。
そんな同社のミドリムシは、今までたくさんの食品に活用されてきた。以前、コネタで“ミドリムシ入りのソフトクリーム”については取材したが、それ以外にも「クッキー」、「味噌汁」、「ちんすこう」、「フレッシュジュース」などなど……。それぞれ、“ミドリムシ入り”の食品として発表されている。
そして今回の『みどりラーメン』は、同店が7月中旬よりメニューとして提供中。これは、体験するしかないでしょう! 早速、食べに行ってきました。
ちなみに、お店の場所は東大と目と鼻の先。このラーメンは、主に東大生がオーダーするのだろうか?
「いえ、若い方から年配の方まで本当に幅広いですね。このラーメンのために、遠くからお越しになる方もいらっしゃいます。印象としては、他のラーメンに比べて女性に人気があるようです」(店長の安東さん)
実は、安東店長も東大出身。アルバイトの従業員にも東大生が多く、いわば“東大出身の店長が作り、東大生が通う、東大のすぐそばのラーメン屋”が、この店だったりするのだ。これもまた、ドラマだな……。
と言ってる間に、ラーメンが出来上がった模様。う~ん、見た目がヘルシー! キャベツ、パプリカ、わかめ、チャーシューといった具材が色鮮やかで、女性に人気というのも頷ける。
そして、気になるのがスープの色。青というか、緑というか、少し独特な色をしている。
「元々、当店では赤い色のラーメンを多く提供しております。そこで『次は、青か緑か?』という発想になり、商品開発を進めていたところ、ユーグレナさんに声を掛けていただきました」(安東さん)
株式会社ユーグレナが培養したミドリムシは、緑色の粉末として形になった。当然、同店もそれを利用。この粉末をオリーブオイルに入れて調理し、結果的にこんな色のラーメンが現実のものとなったのだ。
なるほど。では、いただいてみましょう! ……おぉ、サッパリしている。粉末自体の味は抹茶っぽく、そして海藻の風味もあるそうだが、それを上手に活かした“海の香り”漂うラーメンに。
ラーメン全体の味付けは「バジル風味のとんこつ味」。しかし、特に“こってり”という感じはしない。だからだろうか、夏の暑い日にはピッタリなはず。食欲が無くなってしまった方に、是非ともお試しいただきたい一品。私も、いつの間にかペロリと完食していました。
「お客さんは、何か奇抜なラーメンを想像しながら注文するみたいです(笑)。でも、実際に食べていただくと、『普通においしいね』と言ってくれています」(安東さん)
そして、肝心の栄養面。ミドリムシはビタミン類、必須アミノやミネラルなど59種類の栄養素を持ち、理論上ではミドリムシだけでヒトが生きていくのに必要な栄養素をまかなえると言われているという。
この『みどりラーメン』に関していえば、約6億匹のミドリムシが含まれている。このラーメン一杯を食べることにより、一日において不足しがちな栄養分をまかなえるかもしれないのだ。下手なサプリメントを利用するより、よっぽどイイ!
“美味しくて、ヘルシー”なんてキャッチコピーをよく耳にするが、ここまで説得力があるのは初体験。偏食気味の私は、思わず常連になってしまいそうです。