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2011年8月26日金曜日

鳴子こけしとロシアの民芸品が融合「鳴子縁起マトリョーシカ」

開けても開けても同じものが小さく眠ってる恐ろしい容器、まさにミラクルって言いたいが、そんな遊びもいつかは終わりが来る。

東北を代表する温泉地のひとつ、宮城県の鳴子温泉。こけしの里としても有名で、大きなこけしが出迎える「日本こけし館」もあるほど。

そんな鳴子温泉に昨年登場したユニークな民芸品がある。「鳴子縁起マトリョーシカ」だ。

マトリョーシカといえば、ロシアの民芸品としておなじみ。胴体を上下2つにわけられる人形で、大きさの違う人形がいくつも入れ子になっている。そのマトリョーシカに鳴子伝統こけし工人が絵付けをしたのが、「鳴子縁起マトリョーシカ」だ。

もちろん、鳴子こけしとマトリョーシカを組み合わせたのには理由がある。鳴子温泉物産協会の担当者いわく、
「子どものおもちゃとしての生い立ちや互いの歴史的つながりから生まれました」
実は鳴子こけしは子どものおもちゃが原点。一方のマトリョーシカも子どものおもちゃや安産を象徴する縁起ものとして親しまれている。ちなみに、鳴子温泉にある温泉神社は縁結びや商売繁盛、安産の守護神でもある。

そもそもマトリョーシカは、箱根の入れ子人形の七福神をモデルにして19世紀末に誕生したともいわれ、日本とのつながりは深い。現在、宮城県が交流事業を進めているロシア連邦ニジェゴロド州もマトリョーシカの名産地。鳴子縁起マトリョーシカの木地である白樺や菩提樹も同州から輸入しているそう。

15名のこけし工人が作る鳴子縁起マトリョーシカは風合いもそれぞれ。こけし絵だけでなく、だるま絵やふくろう、招き猫などの動物絵など絵柄のバリエーションも豊富だ。
「5個入りの人形、それぞれの表情絵柄に工夫をこらしています」
すべて手描きなのでひとつひとつ色合いや表情も違う。なんともいえない愛嬌のある表情は見ているだけでほっこり和む。また、温かみのある木のぬくもりは、子どものおもちゃとしても最適だ。

販売は鳴子温泉のこけし店3軒(桜井こけし店・岡崎斉の店・老舗高亀)。いずれも税込み9,500円。平成22年から販売しているそうだが、お客さんからの評判もよく、
「伝統こけしに縁の無かった世代にも関心をしめしていただいています」
とのこと。

日本とロシア、2つの国の伝統的な民芸品が絶妙に融合して生まれた「鳴子縁起マトリョーシカ」。いまは「負けないぞ東北!!」という思いも込めて作っているそうなので、ぜひ鳴子温泉を訪れて、その愛らしい表情をチェックしてほしい。