冷却や体温低下の効果がある素材や組み合わせをすることで夏場に最適な料理を生み出すことがありますが、素人がにわか知識ですると大変なことになる場合もあるので程ほどに・・・。
以前、コネタで「体を涼しくしてくれる“涼感スイーツ”」を紹介したことがある。体が冷える食材を使用した、節電が必須の夏を乗り切っていくためのスイーツだ。
そして、今回はパスタ。埼玉県の「まさき亭」が開発した9月15日までの期間限定メニュー『彩都真夏涼(さいとまなす)パスタ』(1,000円)は、“体を冷やすパスタ”である。
使用されている食材は、トマト、茄子、レタス、きゅうりなど。東洋医学では食材を陰性・陽性・平性の3つに分類するが、その中でも陰性に属する上記4つの野菜は体の熱を取る作用があるとされるらしい。
それらを利用して完成した同メニュー。こういった涼感パスタは、日本でも初めての試みだという。
まあ、ハッキリ言って食べてみたいというか。早速、お店に行って体験してきました。
注文すると、もう色取りがムッチャクチャ鮮やか! 特に目に付くのは、鮮やかなレッドカラー。赤には熱いイメージがあるが、こちらは涼しげな赤だ。
対して茄子やキュウリの落ち着いた色味が、見た目をグッと引き締めてくれる。
というわけで、いただきますよ。……おぉー、爽快! パスタがキンキンに冷えていて、まさに夏を感じさせてくれる。
「パスタ麺は茹でた後に氷水で締めていますし、トマトソースも冷たい。このダブル効果で猛暑をクールに乗り切ってください」(店主の石川さん)
ただ、味に関していえば、例えば冷やし中華ほどはサッパリし過ぎない。このメニューはトマト味のソースにすりおろしたキュウリを加え、バジル、アサリの出汁、濃縮地鶏ガラスープなどで構成されている。
印象としては想像以上に濃厚で、ガッツリ食べたい人にもうってつけだと思う。
それにしても、食べても食べても出てくるトマト! パクパク口に入れていくうちに、段々と体もクールになってきた。
「野菜自身が体の内部から冷やしてくれますので冷房環境で食事しなくてもよく、節電に貢献できます」(石川さん)
そんな『彩都真夏涼パスタ』、見た目はポップ極まりないが誕生まではかなりの難産だった。
中でも一番苦労したのは、冷やすと固まるソースの技術処理。冷やすとオリーブが固まるため、これではパスタ麺にかけられないのだ。
そこで数種類のオリーブオイルをブレンド。結果、ソースはサラサラになり麺にからむようになったという。
その上、希望するお客さんには冷えたトマトジュースも無料で付けてくれるとのこと。
美味しいだけでなく、体を冷やす節電パスタである。