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2011年6月21日火曜日

ガチャガチャでチャリティ? 復興の願いを込めた缶バッジ「ガチャリティ」

うまいこと言ったつもりか!と最初につっこませていただく。チャリティーとして色んな形を見てきたが子供の玩具の概念を覆したものになった。まあ、大人用もあるが。

東日本震災から3カ月をむかえた6月11日。新しいチャリティのカタチ「ガチャリティ」が登場した。その名の通り、カプセルに入ったおもちゃの販売機「ガチャガチャ(カプセルベンダー)」の中に、国内外25人のクリエイターのメッセージデザイン缶バッジ(1個300円)が入っているのだが、原価を差し引いた約250円が日本赤十字社を通し被災地に寄付されるという新型チャリティだ。

楽しみながら息の長い支援ができるようにと「ガチャガチャ」をつかったチャリティシステムを発案した広告会社でアートディレクターを務める伊藤敬生さんに話を聞いた。
「何より販売に場所を取らないコンパクトさと、無人で販売できるシステム。これなら様々な負荷を軽減し、いつでもどこでもチャリティができる! と、思いついたのが2年前の夏でした。日本人に根付かないチャリティを、どうにかして根付かせたい。ガチャガチャは、それを実行するのにピッタリのマシンだと思いました」

NY在住のアーティスト、ロドニー・グリーンブラッドさんや、福岡出身の漫画家やまだないとさんなど、国内外25名のアーティストらにより無償でデザインされた缶バッジ。「元気を胸に」をテーマに、日の丸や折鶴をモチーフにしたデザインなど震災に対する各アーティストの想いが描かれている。「今回の第1弾に採用した缶バッジは、『元気を胸に』というテーマにもあるように直接の被災を受けた皆さんとともに、我々も心に大きな傷を負ったことは確か……。そんな心に元気回復のフラッグとしてこの缶バッチをつけていただけたら」と話す伊藤さん。

缶バッジのデザインは1種類100個限定で、売り切れれば新たにデザインされる。「細くても長く続けられる支援を」がコンセプトだ。福岡県福岡市の「アートギャラリー三菱地所アルティアム」に1台設置されているが、現在、国内だけでなく海外からも問い合わせがきているそうだ。
「『ガチャリティ』の品質や運営体制さえしっかり行うことができれば、国内外問わず広げていきたいと思います。

基本は『自走式&自立式』のシステムにしたいので、個別のボランティア事務局が各地に生まれてくると素敵ですね」
今後、中の商品はカプセルに入るものであれば、「ガチャリティ」として推進していきたいという。

ガチャガチャといえば、子どもの頃、自分では中身を選べないという小さなカプセルに魅了され、親にねだりドキドキしながらカプセルを開け一喜一憂したことを思い出す。大人になり「寄付をする」という選択ができるようになった今、日常の生活の中で被災地に向け継続的に支援していくことを忘れないという意味でも、「ガチャリティ」の設置場所が日本各地に増えることを願う。