いくら食べるのが楽になるといっても噛み応えの無いものばかりを取り入れてると満腹感が得られない。そして人類が遂に肉ゼリーを自らの手でつくりだしたか・・・。
最近、体調を崩したのだが大変だった。今まで普通にできていたことが、ままならなくなってしまうのだから。歩くのも辛い。寝てるだけでも辛い。当然、食事をするのも辛い。
何かを摂取しなければとはわかっているが、いつも食べていた大好物が受けつけない。結果、口にするのは味気ないものばかり。「元気が一番」と痛感したのは、あの時である。
実は、そんな時にピッタリの嬉しい商品が開発されている。株式会社クリニコから発売されているのは、『エンジョイおかずゼリー』。
ゼリーだ。でも、普通のゼリーじゃない。用意されている味が、どれも独特。レパートリーは「肉じゃが風味」、「麻婆豆腐風味」、「西京みそ風味」の3種類。
なぜ、このようなゼリーを開発したのか? きっかけを、同社に伺ってみた。
「お年を重ねて噛む力や飲み込む力が弱った方には、噛みにくい食材を除いたり、飲み込みやすさを考えた料理にしたり、食事にも配慮が必要ですよね。そういった方に向け、医療現場でゼリー状やムース状の食事が提供されることがあります。ただ従来の市販品は、フルーツやコーヒーなど甘い味のものが主でした。そのような食事が苦手な方や、家庭で食べやすい食事を作るのが難しい方のため、甘くなく何度も食べたくなる家庭の味を再現した“おかず味のゼリー”を開発いたしました」(担当者)
そう。これは、医療・介護用として生まれたゼリーなのである。
ということは、主にこのゼリーを購入するのは医療機関?
「病院や老人保健施設といった施設による使用だけでなく、個人のお客様による購入もあります。噛む力が弱くなってしまったり、十分な食事量が摂れないような方のご利用が多いようです。普通の食事だけだと十分な栄養を摂ることができない場合に活用していただいております」(担当者)
なるほど。食事に配慮が必要な人向けということか。ただ、健康な人が体調を崩したときに食べても問題はないらしい。
そこで、私も試食させていただきました。まず食べてみるのは、「肉じゃが風味」。
フタを開けると、香ばしい匂いが漂ってくるな。なるほど、そういえば肉じゃがの匂いかもしれない。お皿に盛りつけてみると、何となく外見はプリンに似ている。これは、ゼリーが2層(おかずの風味を閉じ込めた層と、大豆風味の層)になっているため。
これを早速、口にしてみました。……おぉっ。ゼリーなのに、よく染みた肉じゃが味! じゃがいもを食べているような感覚に、一番近いだろうか。だけど、ゼリーだから舌とか歯ぐきとかでつぶれてしまう。それどころか、スルッと吸い込むことも可能。
これは、他の風味でも同様だ。「麻婆豆腐風味」なんて、まんま麻婆豆腐。もう、ゼリーにそのまま麻婆をかけたみたい!
「西京みそ風味」だって悪くない。というか、ゼリーと味噌って普通に相性が良いような気がする。これも成功例の一つといっていいだろう。
どの味も、違和感はあまり感じなかった。そこで、ふと思った。もしかして、他の風味でも開発できるんじゃないか……?
「病院などで伺ったお話を元に、ゼリーに新たな人気のおかずの味を増やしていくことを予定しています」(担当者)
そして、このゼリーはアレンジして食べるのも面白い。例えば「肉じゃが風味」に温野菜をプラスしてみたり、「麻婆豆腐風味」におひたしを添えてみたり。「西京みそ風味」をスープの具にするのもオススメ。
そんな、この“おかずゼリー”の味に対しては反響も続々と届いており、「今までにない」、「こんな甘くないゼリーを待っていました」、「硬いものが食べられないのでありがたい」といった声が寄せられている。
また、元々『エンジョイおかずゼリー』は医療・介護用として開発された食品。だからこそ、味だけでなく栄養面に関しても気が使われている。
まず、ゼリー1個あたりのエネルギーは130キロカロリー。そして、たんぱく質は4.9グラム。それだけではなく、ビタミンや鉄分も含まれている。これは、日本人の食事摂取基準(2010年版)に配慮したエネルギーバランス。美味しくて食べやすいだけではなかった。
そんな『エンジョイおかずゼリー』は、同社のオンラインショップで、5月16日より販売されている。価格は1ケース24個入りで4,536円(送料、税込み)。
このゼリーがあれば、噛む力が弱くなった人も、簡単に好きなおかずを楽しむことができる。これは嬉しい。食は、人間にとってかけがえのない喜びなのだから。