外見から想像するのは理解が早くて助かるが、時にその認識が脚を引っ張るなんてざらにある。特に味の甘い辛いは失敗作を連想するが外見を考えずに味のみで判断してはどうだろうか。
焼ドーナツ、生ドーナツなど、ドーナツブームが続いている。まんまるの穴開きドーナツは、よそゆきというよりは、普段着のおやつ。素朴でどこかのんびりした味と姿が、気持ちをほっと和ませてくれる。ただ、その製法と味わいはひそかに進化し続けているようで、ドーナツ=甘いものという思い込みを覆す!? こんなニューフェイスが登場していた。
6月10日に大阪・南堀江にオープンした焼ドーナツ屋専門店『Petit Point(プティポワン)』の「おかずドーナツ」である。全8種類あるラインナップのうち、甘いドーナツが5種類(プレーン、オレンジ、アールグレイ、抹茶、チョコレート)に加え、辛いドーナツ3種類(カレー、スパイシーベーコン、イタリアントマト)があり、なんとも気になる……。
オーナーは料理研究家として30年のキャリアを持つ荒井桂子さんで、長年お料理教室を主宰し、企業からの依頼でレシピを考案したり、カフェやドーナツショップへのレシピ提供をおこない行列店に導いてきた経験の持ち主。その荒井先生が長年、あたためてきたレシピで試作を繰り返し、完成した自信作ということで、これはもうおいしくないはずありませんよね!?
さっそく食べてみたところ、なんともきめ細かなでふんわりしていて。上品な軽~い食感。口の中でとろけて胃にもたれないので、何個でもイケそうな勢いです。カルピスバター、フランス産ゲランドの塩など材料にもこだわりがあり、これで1個150~220円は安い! ですよねー。個人的には、スパイスの味がしっかり効いたカレーがお気に入り。なお、甘いドーナツの中でいちばん人気は素材のよさがダイレクトに味わえる「プレーン」だそうで、うーん、これは牛乳と一緒に味わいたい……。
「おかずドーナツ」を思い付いたきっかけは、「主人がお酒好きな人で、甘いものを食べない人にも、おつまみとして食べていただけるようなものができないかな、と。カレー味のドーナツはビールに、スパイシーベーコン&イタリアントマトはワインにも合いますよ。
あと、お子さんの朝ごはんや夜食、部活の後の調理パン代わりにもおすすめです」とのこと。
最近フランスの「ケーク・サレ(塩ケーキ)」が脚光を浴びていることから(既出コネタ)、「ドーナツ・サレ」というフランス語のネーミングも考えたそうだが、最終的にわかりやすい「おかずドーナツ」に決定したのだとか。
お店奥にあるキッチンで毎日焼いているとのことで、こうばしい香りがたまりません。タイミングが合えば焼き立てが食べられるかも!? 今後は現在のラインナップに加え、「酒かす」「さくら」「ゆず」など、季節限定の味も出していく予定とのこと。ネット通販でお取り寄せも可能なので、甘党も辛党も一緒に楽しめるギフトとして喜ばれそう! 私もまずは全種類制覇をめざしたいと思います。