店の味、家庭の味、何処にでもあって同じものにはならないスパーシーな使者。隠し味からつけあわせまで無限ともいえる万能食、口にしたことがない日本人は稀だろう。
夏はますます美味しいカレー。たっぷり汗をかきながら食べるカレーは、最高だ。
ところで、「カレーは大量に作るのが美味い」とか「翌日のカレーがさらに美味い」とか言う人は多いけど、気になるのは余ったカレーの保存方法。みんなどうしてるもの?
調べてみると、以下のような方法が挙がった。
「残りカレーはフタをしたままいったん加熱し、そのまま鍋で常温保存する」
「火をこまめに入れれば、常温保存で大丈夫」
「夏場だけタッパーに移し、冷蔵庫に入れる」
「冷めてから、鍋ごと冷蔵庫へ入れる」
「すぐに冷凍保存する」
「翌朝食べきれる量の場合、鍋のまま常温保存して、食べる前にもう一度加熱すれば良いと思う。スパイスが入っているわけだし」
「カレーを鍋ごと冷蔵庫に入れる」場合はスペース的に難しい場合も多いだろうし、タッパーに移すのもニオイ移りなどが気になる。できれば、鍋のままがラクだけど……常温保存じゃダメなの?
管理栄養士・栄養士が食に関する情報を発信するウェブサイト「ミールプラザ」で活動中の管理栄養士・泊真希子さんに聞いた。
「カレーの食べ残しは、冷蔵保存あるいは冷凍保存したほうが良いですよ。夏場・冬場に限らず、食品の菌を繁殖させないためには、一般的に85℃以上の加熱を1分以上するこいとが必要だと言われています。なかには、100℃以上でも死なない菌がいて、カレーを大量に作った場合などは、加熱すると熱に弱い細菌などは死滅するものの、熱に強い芽胞の状態の『ウェルシュ菌』は生き残ります。それを常温で放置していると、温度が下がってきたとき、芽胞状態から通常の状態に戻った菌が急速に増え始めてしまうんです」
奇しくも6月30日放送のNHK『あさイチ』で、「本当は怖い2日目のカレー」といった話題が取り上げられていたが、実際、カレーの食中毒はけっこうあるそうだから、注意が必要だ。
「カレーの食べ残しは、『早急に冷たくする』ことが大切です。
カレーやシチューなどは、ドロッとしているので、外側が冷めていても、中はなかなか冷めにくいもの。そうすると、中のほうは長時間熱がこもった状態になり、菌が増殖してしまいます。ポイントは、『短時間で冷ます』こと。カレーが残ったときには、できるだけ平らで広い器に薄く広げて粗熱をとり、冷蔵庫に入れましょう」
鍋のまま冷蔵庫に……という場も、「必ず薄く広げて短時間で冷ますこと」が重要だそう。ところで、「夏は冷蔵保存するけど、冬なら常温保存で大丈夫」と思う人も多いかもしれないが……。
「キッチンとリビングが続いている家が多いので、冬でもキッチンの室温は高くなりがちです。冬でも冷蔵保存したほうが良いですよ」
特に夏場は、足がはやい食品「じゃがいも」を入れない、なども1つの方法だとか。
ちなみに、カレーの保存法の他に、犯しがちなミスとして、以下を挙げてくれた。
「ハンバーグを作るとき、タマネギを炒めて、冷まさずにあたたかいまま肉に加えてしまう人がけっこういます。でも、あたたかいものを肉に入れると、うま味が損なわれる上、菌が増殖してしまいますので、必ず冷ましてから加えることが大切です」
もし「冷ます時間を待てない」というのであれば、むしろタマネギは炒めず、生のまま肉に直接加えたほうが、衛生面でも味の面でも良いそうだ。
これからますます暑くなるので、食中毒には十分注意したいものだ。
0 件のコメント:
新しいコメントは書き込めません。