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2011年7月24日日曜日

全てが「ウソ」の雑誌、「ファモーソ(FAMOSO)」の楽しみ方

世には良い嘘と悪い嘘がある。しかしあらかじめ分かっているものだったら、それなりに楽しめるのではなかろうか。まあ、とんでもなく手が込んでいないとリアリティーが無くつまらないのだが。

ビートたけし編集長、所ジョージ副編集長が自ら企画・編集・構成を行う、フィクションスクープマガジン「ファモーソ(FAMOSO)4」が、ネコ・パブリッシングより発売となった。
「ファモーソ」は、“全部ウソ、つまりフィクションをスクープする”というコンセプトの雑誌。「相撲競技がついに得点制に!決め技を解説」「フィッシング業界のアイドル!石川三平参上…」など、ツッコミどころ満載のスクープ記事が一面を飾っている。

フィクション雑誌「ファモーソ」の舞台裏を探るべく、業界関係筋であるA氏に、独占取材を試みた。
「この雑誌は、テーマや、企画、構成……全てが、たけしさんと所さん、お2人の雑誌なんです。セットや衣装も含めて、基本的にはお2人が制作も全ておこなっています。衣装やカツラ、おもちゃなんかも、所さんの私物が多いですね」
全てのページに2人の編集長が目を通しており、細かなディティールに至るまで「全部ウソ」というコンセプトがいきわたっている。

広告も全部ウソ。広告“のように見える”ページは存在するが、よくよく中身を読んでみれば、ダイエット食品やら霊感グッズやら、どこかで見たことのある広告のパロディになっている。雑誌なら当然あるべき「バックナンバーのご案内」ページは、なんと創刊号にだけ載っている。「不定期」刊行なのに、定期購読のお知らせがある……。
内容はもちろん全てウソで、「定期購読のお葉書によるお申し込みは、発売日の20日前までにご投函ください」といった調子だ(不定期刊行だってば)。

「原稿が面白い、と見る人もいるし、写真を見るのが楽しい、と思う人もいる。
ふつう雑誌というのは、一冊の中でも特集が分かれていて、それぞれの特集で制作者が違いますよね。でも、この雑誌は、基本的にはすべてお2人が決めている。そこだけは“本当”です」
ウソの広告にも、小さな注意書きにも、パッと読み飛ばしてしまうようなこところにまで、たけし編集長・所副編集長のアイディアと想像力がぎゅっと詰まっている。

こまかなところまで、全部、“読める”。

最後に、同誌の制作関係者でもあるA氏に、7月1日発売の最新号、「ファモーソ4」の見どころを聞いてみた。
「そうですね、チリへ海外ロケに行ったり、あとやっぱり、ハリウッドの方とお仕事させていただいたり、あとはあれですね、超有名スポーツ選手に登場していただいたりとか、見どころ満載です。
ファモーソは、世界中で1億3000万部出版してるんです、確か。今後は、海外でも高い評価を受けているファモーソだからこそできることをやっていきたいですね。より、ワールドワイドな感じで。」と言って、彼はニヤリと笑った。

さて、ここまで読んでもらえれば、「ファモーソ」の楽しみ方を十分に分かっていただけたことだろう。ぜひ本誌「ファモーソ4」を手にとって、その真髄を味わってみてほしい。