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2011年7月9日土曜日

印刷するといい香りがするインク

昔、本の表紙の特殊加工に擦ると石鹸のにおいがするものがあった。まあ、場所があまりにアレなもので実際試した人は僅か・・・なわけないか。

文章を書いていると、歯がゆくなる時がある。いくら文字で伝えようとしても伝わらないものがあるのだ。
たとえば、グルメリポート。はっきり言って、本人が味あわないと本当のことはわからない。実は、かなり無理があることをしている。

もう一つ困ってしまうのが、香りを伝えようとしている時。いくら形容詞を重ねても、それがどんな香りかは読んでいる人には伝わらない。イメージを伝えようと努力はしているが、あくまでそれはイメージだ。

しかし、それらの報告リポート。これを使って印刷し、それを読んでもらえたら……。少しは、臨場感が伝わるかもしれない。
株式会社ダイコーから発売されている『アロマインク』は、“香りの出るインクカートリッジ”。家庭用インクジェットプリンターにこれをセットすると、印刷物に香りがつくらしいのだ。

こんなインクを、個人的には待望していた。そこで、同社に伺ってみた。このようなインクカートリッジを開発したきっかけは?
「農業を営んでいるお客様からの要望がありました。その方が、イチゴの写真を印刷したダイレクトメールを作る際に『イチゴの香りをつけて送りたい。そんなことが可能になるインクはないだろうか?』と、考えたそうです」(同社・担当者)
今では、年賀状や結婚式の招待状などにも重宝されているという。

でも、不思議だ。今まで、このようなインクがどうして無かったのか? ニーズは、昔からあったと思うのだが……。
「元々、アロマオイルというのは植物のエキスからとる油分です。これを水に入れても、“水と油”で分離してしまいます。そんな状態でプリンターにセットすると、結果的に詰まってしまうので、開発は困難でした」(担当者)
そこで、同社は水溶性のアロマを独自に開発! インクの成分を壊さず、なおかつ香りづけされた『アロマインク』を形にしてみせた。

では『アロマインク』には、どんな香りがあるのか? 現段階では、3種類が用意されている。

「6月8日から“ストロベリー”、“バニラ”、“ジャスミン”を発売しております。特に“バニラ”は、わかりやすい香りですね」(担当者)
近日中に“オレンジ”、“ローズ”、“オリジナルブレンド”もレパートリーに加わる予定。

だが、一つだけ疑問も。せっかく刷っても、香りがすぐに消えないか心配なのだ。たとえば、印刷後の数時間で無臭になってしまったり……。それは切なすぎるだろう。
「いえ、3~15日は香りが持続いたします。ただ、これは短く想定した場合で、鼻が良い方ならば3カ月は香りを感じ続けられると思います」(担当者)

そんな『アロマインク』は、同社のホームページで購入することができる。
エプソン用(IC*50)は6色セットで3,840円(税込み)。キャノン用(BCI-321/320)は5色セットで2,980円(税込み)。

今まで業界内で「不可能」と言われてきた、“香りの出るインクカートリッジ”。指でこすって香りを出す(香りの粒子が飛び出す)特殊印刷は過去にもあった。しかし、単純に香りがするインクは今回が世界初です。