無駄話題も面白ければ取り上げるので役に立つかは人次第、ときには時間の無駄と思われても知人に教えて輪を広げる。それこそコネタの流儀!

2011年7月14日木曜日

ビジネスはマフィアに学べ!?

危険に携わる者ほど臆病でなくてはならない。そう、裏側に住む者達は常にそんな事態と隣り合わせ。ようするに色んな知識・技術を習得していることに他ならない!

私にとって“マフィア”は映画の中の世界に存在する人たち。だけど、実際はどんな仕事をしているんだろう?

そんな興味をひかれて、迷わず手にしたのが『最強マフィアの仕事術』という一冊の本。
聞くと初版は1万3千部とほぼ標準的な部数だったが、発売後約1カ月で5万部まで一気に売上げを伸ばしたという。今注目のビジネス書を読んでみた。

著者のマイケル・フランゼーゼは、マフィアの中でも権力もお金も手に入れた実力者。マフィアの一員としてビジネスに携わる中で身に付けた仕事術が、本書には分かりやすくまとめられていた。

意外だったのは、
――真面目に一生懸命働け。努力なしの成功はない
――どんな顧客に対しても、真摯な態度で対応しろ
など、思っていた以上にまっとうなことが書かれていることだ。

担当編集の方にも「著者が教えてくれるノウハウに、違法なものはひとつもありません。それどころか、暴力、脱税などの違法行為はやめるべきだと言っています」とご紹介いただいた。

「“(マフィアのビジネスでは)赤字を計上したら、別の赤いものの上に横たわることになる。そう、自分の血だ。”と著者は言っています。そうした厳しい環境の中で磨かれた仕事術が、暴力と違法行為ではないことが意外に感じられます。しかし、読み進むうちに納得に変わっていくと思います」

本書の仕事術の中で、参考にしたいポイントを聞いてみた。
「“マフィア流、5つの交渉極意”でしょうか。5つのうち、ひとつだけご紹介すると“口ではなく、頭を先に使え”という極意があります。タフな交渉であればあるほど、出来る限り、相手に自由に話をさせることを勧めています。そうすれば、その場で情報収集ができ、自分の希望の伝え方も見えてくるというのです。私は初対面の相手の場合、話しまくってしまうことがあるので、この極意を思い出したいですね」

“他人の金は自分の金”と考えるマフィアが、なぜ真摯な態度で対応しようと考えるようになったのか、著者の実体験に基づいて書かれている。
 
普通のビジネス書の失敗・成功とはひと味違うので、読み物としても面白かった。

ビジネスコンサルタントや経営者をはじめ、アルバイトで生計を立てている方まで幅広い層から支持を集めている本書。ビジネス書を普段読まない方も、自伝的なエッセイとして十分楽しめる。ぜひ一度手にとってもらいたい。