白ばっかり見てると段々色とりどりのバリエーションも見たくなります。確かに汚れが目立つし生活においては不便な点はありますが、清潔感は欠かせません。
ここ数ヶ月、コンビニやスーパーの飲料売り場の彩りが、少し変化している。それは、ペットボトルのフタ、ボトルキャップが、どんどん白無地系のものになってきていること。
ペットボトルのキャップといえば、緑茶なら黄緑ぽくて、ミネラルウォーターは水色、レモンフレーバーのものレモンイエローだったり、コーラ飲料なら赤や黒とか。もちろん白無地の物も以前からあるが、色が付いているものがそれなりにある。
さらに、一番上の天面には、飲料やメーカーのロゴなんかが印刷されていたりして、それなりににぎやかな印象があったが、最近は白い。みんな白くて無地、または開ける方向の矢印だけプリントされているぐらいで。
これは、東日本大震災による影響が大きく、キャップメーカーの工場が被災したことが原因だと、以前報道されていた。
そもそも色付きキャップはコスト高だったりするのだろうか。だとすると今後も白無地のキャップ化は強まっていくんだろうか。清涼飲料水の業界団体、社団法人全国清涼飲料工業会にたずねてみた。
「直接の原因は報道されている通り、キャップメーカーの工場が被災したことにあります。その一方で、飲料水の需要が一時的に高まり、生産能力をあげなければならなくなった。それで、供給を最優先させる必要があったんです」
これまでのキャップの生産は、その種類ごとにラインを分けて作られていたようで、一回一回作り分けていくと、ラインを止めないとならなかったりして、生産効率が悪くなる。そこで、各社協力して、キャップは白無地のもので可能な範囲で統一していく流れができてきたということだ。
「ブランドイメージや、商品の差別化などの意味合いから、各社がマーケティングを行ったうえで様々なタイプのキャップがあったのですが。このような緊急事態ですので、各社が力を合わせるような形になっています」
白無地になることで、コスト面でも節約につながたったりするのかといえば、
「それはほとんどないですね」
とのこと。
また、ガラス瓶なんかは、色別に回収したほうがリサイクル的に都合がよかったりすることもあるが、ペットボトルキャップのふたも、ブルーならブルー、赤なら赤とか、ある程度分けてリサイクルしたほうがよかったりするのでしょうかと聞くと、
「特に関係ないですね。何色でも構いません」
全国清涼飲料工業会によると、白いボトルキャップ状態は、今後もしばらく続く見通しだとのことだが、例外もある。それは、ホット飲料を表すオレンジ色のキャップだ。
「ホット飲料に関しましては、間違った取り扱いをするといけない場合もあります。そういった意味からも、ホット飲料を表すオレンジは、そのままとなります」
あと、海外で生産されているものに関しては、当然この限りではない。
今後、生産面での回復が進めば、従来のカラフルなキャップが順次再登場するようになっていくと、全国清涼飲料工業会では言っていた。
直系3センチほどのキャップに、被災と復興の様子が詰まっています。