風船が飛んでいたとしよう、そして片手には針が一本。するとなんでが吸い寄せられるようにその表面に突き立ててみたくなるではないか。穴があると開けたくなる理屈だ。
梅雨明け後、強烈な暑さが続く東京で、節電しながら寝苦しい夜を乗り切るにはどうすればいいのか。扇風機の生暖かい風だけではどうにもこの暑さは解消できない。うまく体を冷却する方法はないだろうか。
そういえば、節電のためクーラーを使わなくなってからというもの、パソコンの冷却ファンの回転音がうるさい。室内温度が上がった影響でふだんよりオーバーヒートの危険が増しているためだ。そういえば、以前に「夏場にお勧めのPC関連グッズはこれだ!」で水冷CPUクーラー『CWCH50-1』を紹介したのを思い出した。これは冷却効果が空冷式に比べ高いうえ、音がうるさくないとうメリットがあった。
同製品のように冷却効果が高くて静かで、節電に役立つ人間用の水冷式の冷却装置があれば……。
探してみればあるものである。『冷暖四季パッド』(フランスベッド製)というまさに水冷式で節電効果の高いアイテム。これ、実は敷き布団、ベッドとして使うもの。寝ている人間の体をマット内で循環する約750ccの水で冷やすのだ。水温調節は15~48度。エアコンの使用比較で、夏場で約4分の1、冬場で約10分の1の節電効果がそれぞれ見込めるという。
だが、そもそもどうやって循環させ、水温調整しているのか。フランベッドさんに聞いた。
「まず、タンク内の水が冷やしたり温めたりする水温調整部に送られ、調節後に連結チューブを通ってパッド部に送られます。つぎに、パッド部で体を冷やしたり温めたりした後に、チューブを通りタンクに戻ってくる。以上の動作を繰り返して、温めたり冷やしたりしています」
上記の水の循環は、コントロールユニット内のポンプによって循環しており、水温を調整するために「ペルチェ素子」というものを利用しているそうだ。
では、エアコンと同製品で比べた場合、どちらがより涼しいのだろうか。
「人が暑さ、寒さを感じたりするのに関係する因子として一般的にいわれるのは、温度・湿度・風速などです。
エアコンは室内の温度・湿度をコントロールするもので、風で冷たい空気や暖かい空気を送ることで、そうした機能を果たしているのです」
「冷暖四季パッドはエアコンと違い、風を使っていないので、その感じ方は異なると思います。ただ、エアコンの場合、直接に風を受けるとより冷たく(寒く)感じるとは思います」
単純に涼しさを比較することはできないわけだ。あくまで部屋全体をコントロールするのではなく、ベッド(敷き寝具)上の寝床内だけを冷やしたり温めたりするもの。コンパクトに目的部分を冷やすので、エアコンより消費電力が小さくて済むのである。
夜、扇風機では物足りず、エアコンは使いたくない方には、水冷式布団を試してみる価値はあるかも。