時代を超えて蘇るかつての異物、まだ民衆が受け入れるには十年早かった・・・。など今更振り返ってみると意外と便利なものがあったりする。
東日本大震災以降、日本人の多くが節電について考えるようになった。すると必然、これまでいかにムダな電力を使用していたか思い知らされることになる。筆者も然り、使っていないのに差しっぱなしだった家電のコンセントがこんなにもあったとは。
時間もなかなか取れないから、現地へボランティアにも行けない。裕福なわけではないから、たいした額の募金もできない。けれど、筆者も東北出身者として何かしたい。じゃあ、せめて節電を……。と心がけてみたら、気づいたことのひとつ。それは、「お米を炊く量、多すぎなのでは?」。
筆者はお米を炊くときほぼ毎回、所有している炊飯器の最大量にあたる3合炊きにしている。とはいえ、いくら大食いの筆者でも、一度の食事で3合はとても食べきれない。そこで、残ったごはんはラップに包んで冷凍している。
ここに筆者、疑問を抱いた。食べ切れない量のお米を毎回炊く必要があるのか。炊く量が多ければ、その分電力も必要となるはず。しかも、冷凍ごはんは便利だが、これの冷凍・解凍にだって電力は使う。これって、すごくムダなことなんじゃないかしら。
ならば、自分の食べる分だけ炊けばいい、ということになる。それが、節電につながる。だからこそ今、ミニ炊飯器の「HOTデシュラン」がまた脚光を浴びているのだろう。以前にもコネタで取り上げた同商品、ご存知の読者の方も多いのではないだろうか。
この「HOTデシュラン」、発売から一年ほど経つが、すでに5万台以上を売り上げているとのこと。手軽に持ち運べ、会社などでも炊きたてごはんが食べられるから、弁当派の人にはウレシイ限り。自分の食べる分だけ炊けるということで、一人暮らしの人にも重宝する。大ヒットもうなずけるところだ。
加えて、電気代である。「HOTデシュラン」を販売する有限会社琳聡堂さんに問い合わせてみたところ、1回の炊飯にかかる電気代は1.5円程度だとか。一般的な炊飯器の場合で5~9円程度かかるそうなので、これはたしかに節電・節約になる。
しかも、一人で食べきれる分のごはんを炊けるから、残ったごはんを冷凍して解凍して、というのにかかる電力も不要。さらには、レトルトのカレーや牛丼、おかずなどを温めるのも炊飯といっしょにできちゃうから、その電力をも節約できるのだ。
では、操作性、それに肝心の炊き上がりの味わいはどんなものかと、琳聡堂さんにお願いして「HOTデシュラン」をお借りしてみた。箱を開けて本体を取り出してみると……。小さくてかわいい。そして、軽い!
炊けるお米は最大で1合ちょっと。一人分としては十分な量だ。操作は至ってカンタン。普通の炊飯器と同様に、お米を洗って水を入れてセット。これに、「おかずケース」におかずを詰めて、炊飯といっしょに温める。
コンセントを入れてスイッチポン。次第に聞こえてくる、ブクブクという炊ける音。約10分後には、ごはんの炊けるおいしそ~な香りが立ち込め……。15分~20分ほどでスイッチが上がって炊き上がり。
あ~もうたまらん! と、さっそく食べようと思ったところ、傍らにいた者から制止が。いわく、「“スイッチが上がってから、ごはんの蒸らしをするため約10分放置”って説明書に書いている」。単なる操作法のみならず、ごはんのおいしい食べ方まで教えてくれる、琳聡堂さんの配慮がニクイ。
で、ごはんも蒸されて、いよいよ試食。旨し! 炊き立てのごはんに勝るものなし! おかずいらず! でもせっかく温めたおかずだし、食べてみよう。これまた旨い! おかずも温かいに限る!
節電も、楽しくなくちゃ続かないもの。おいしく楽しく“ひとりごはん”が食べられる「HOTデシュラン」は、この節電時代にますます活躍してくれるはずだ。